お腹の使い方ご存知ですか?
なぜか、歌う時、お腹をわざわざ凹ませて歌うように習う方が多いようです。
本当は全く逆です。
息を吸う時、お腹は膨らませます。息は肺に入り、肺も下へ下がります。同時に声帯の位置も下へ下がり、お腹の中の物も下へ下がります。その状態をなるべく長く、だいたい1フレーズ(2小節〜4小節)は、凹まないように踏ん張って頑張ってください。

お腹を凹ませてしまったら、お腹の中の物は全部上がってしまいます。支えも何もない状態になってしまいます。それでは、声もアップアップしてしまって、水に溺れた時のように苦しい状態になります。歌っていて苦しい方、お腹を凹ませていませんか?お腹が凹んでいては、長いフレーズを歌えませんし、さほど力のある声は出ません。そういう状態の時、大抵、声に艶はなく乾いた声が出てると思います。お腹は膨らませて、中の横隔膜から下にある内臓は下腹の方まで下がるようになっていますから、お腹の中のものは下へ下げて歌ってください。大抵、専門家は、「横隔膜を下げて」という表現をします。
スタッカートの時も同様に。お腹をペコペコ凹ませて、声をお腹から噴火させたように出さないでください。スタッカートは、何も、お腹で切っている訳ではありません。
短い音を遠くに置くように出します。切る必要はありません。スタッカートの意味は、切ると言う意味ではありません。それはまた後日。とにかく、歌う時、お腹を凹ませては歌わない事を知っておいて欲しいと思います。
日本では、あまりにも真逆を習う方が多いように見受けられます。
イタリアでも、そう教える先生がいるようです。でも、スーパースターと呼ばれている世界のオペラ歌手達は、お腹を凹ませては歌っていません。
むしろ、歌っている間は、胴周り全体を太らせながら太らせながら歌っています。