ベルカント唱法なるものは

その唱法が

きちんと行われましたならば

日本の歌も

美しく

しかも、日本語がはっきりとして

歌う事のできる

唱法です

しかし、U母音だけは特殊になりがちです

他の母音は自然に鳴らす事ができますし

日本語にとって、とても大切な子音も

なにも取って付けたようにわざわざやらなくても

例えば『小さな”ぅ”やら

小さな”ぃ”やら、』やらなくても!

自然とちょうどいいそれができます

やはり、ベルカント唱法をきちんと習得しているイタリア人一流歌手達が

コンサートの最後に歌ってくれる

日本語の日本の歌は

日本人が歌う日本の歌より美しく

発音がはっきりと聴こえます

あの人達が証明してくれています

何もベルカント唱法は、特別な歌い方で特別難しいものではありません

日本語だって、AEIOUがはっきりした言語です

イタリアオペラもイタリア語で五つの母音AEIOUがはっきりした言語です

イタリア語も日本語も母音は明るい音色ですよね、多少、性質は異なっても。

日本人の話す声は、綺麗な声だなあと感じた事があります

日本人の声は元々とても語気が優しく美しい声です

只、イタリア人とは骨格や、言語の違いから

『カン!』と、明るく、あのイタリア人のような響きにはなりにくいと思います

なので、どんなに正しく発声をして歌ったとしても

心地は悪くないけれども

イタリア人のそれとは異なるなあとは思います

それは、イタリア人が黒人霊歌を、あの黒人と同じような独特の響きでは歌えないのと同じような感覚だと思います

日本人がイタリア人と全く同じ響きを作ることは、無理!と言ってしまいたい衝動にかられた事はありますが

だからと言って、日本人が歌が下手で声が汚いとか、

日本人はダメなんだ、とか、

そんなネガティブな気持ちで私は言っていません

やはり、使っている言語や、骨格の違い、国の歴史、ありとあらゆる事がイタリアとは異なることは確かなので

オペラに憧れたり

専門家とする人で、オペラを歌うなら

その違いをきちんと知って

その上で、オペラや、西洋音楽と

どう向き合い、どう接して行くか

それは異文化を扱う専門家達は

謙虚に考えなくてはならない事だと

私は思います

今日の、コーラスの方々のミニ個人レッスンでは

ベルカント唱法に基づいて

日本語の歌を歌っていますが

どの方もきちんと頭では理解し

特に難しいとは感じなかったと思います

ただ、普段のおしゃべりをしているときの口元の使い方と

言葉に西洋の音符が付いているそれを扱うには

多少口元の使い方について

動かし方を変えないといけないので

慣れが必要だ

そういう意味では大変だと思ったまでの事だと思います

ベルカント唱法は

歌を唱う為のとっても理にかなった

便利な基本的唱法だと思います。

それを自分の身体で自由自在に扱うようになるまでには

本場のイタリア人歌手でさえ

一生ものとして、向き合っています