竹村さん :「本番はどうだったの?」

私  :「もうバグバグしながら歌った」

竹村さん  :「恐かったんだ」

私  :「うん、凄く… 凄く恐かったの…」

実は録音の日に久しぶりに会った竹村さんとの会話で、このやり取りだけで、心がほっとしました。

この1ヶ月、今までの本番とは全く、全然違って、恐怖と闘っていました。

レッスンに行けなくなるほど。

レッスンが結構本番直前だったから、レッスンで失敗してしまったら、もうあまりの恐怖で本番当日ホールへ行けなくなったら困るから。

最後のレッスンで、何かを掴もうと思って、先生にすがるような想いでレッスンに行く人もいるかもしれないけれど、私は、違ったのでした。

こんな気持ちになったのも、初めてです。

そして、本番では震えながら歌ってしまいました。

余裕のない歌。

そんな歌でも、お客様は感激してくださって、涙が出たとも言ってくれて、あんな拙い歌でも、涙を流してくれるのですね…。

拙い歌だったけど、何かが伝わったんですね。

歌が上手いから、人が感動するのとは違うのですね。

でも、私は専門家、私の歌の先生も世界の耳を持った人です。

なので、冷静に受け止めなくてはいけません。