カウンターテナーとは、男性が女性と同じ音域で歌うパートの事。

カストラートとは、原理を異とする。
ホルモンバランスの関係で変声を迎えなかった男性や、裏声でソプラノ音域を発声できる場合、カウンターテナーとこれらを区別して男性ソプラノ(ソプラニスト、ソプラニスタ)という。

どうやら調べましたらソプラニストとも言うようです。
変声期後の年齢に達した男性が主に地声またはファルセット(裏声)によって女声のソプラノに匹敵する音域で歌う形式で、世界的にも稀少価値であり、認知されている者は日本を含めて数名しか存在しない。

日本では岡本知高が唯一。

と言われています。

最もカストラートの声質に近いともいわれているが、先天的な要素にも大きく左右される一方、去勢とは無関係のため、詳細は不明。

私は、クラシックの声楽の世界でソプラニストと言うパートはなく、後から出来た俗語かな?と思っていましたが、そうでもないようです。

今日、高校三年生の男の子、もう高校生なので、男性と言った方が良いでしょうか?

体験に私の教室へ。

普通にいつもの感覚でレッスンを。

低い音も地声ではあったけれど、きちんと声楽になりそうな声が出ていましたが、

よくよく本人の話を聞いてみると、どうも高い音にこだわりがあって、

トゥーランドットの nessun dorma を裏声でお家で出して遊んでいると。

また子供の頃は夜の女王を歌って遊んでいたと。

まあ、子供はボーイソプラノの声で夜の女王を歌っている男の子はよく聴くけれど。

どんな風にお家で歌っているのか歌ってみて、と言って

イタリア歌曲の caro mio ben をお家で歌ってる通りに歌ってもらったら

完全にカウンターテナーの声でした。

カウンターテナーとは、女声のアルトの辺りの音域を男性がファルセット(裏声)で出すパートです。

最初は知らなかったので、普通に男性の声で下の方も出してもらってましたが、

本人としては、それは大変違和感のある事のようです。

普通のソプラノの音域を下から上まで全部ファルセットで歌うみたい。

結構特殊。

オペラ歌手のテノールが、今日はしんどいから、ファルセットで抜きながら歌うと言うのとはまた違う感じ。

鼻歌でへなへな歌うのとは全然違います。

男性の裏声とは言っても、きちんと声帯を使って、きちんとマスクで共鳴させて真のある声で歌えないといけません。

彼が本当にカウンターテナーなのかは、これからゆっくりじっくりやっていって

長い時間をかけ判断したいと思います。

でも、どうやら、心理的にも、精神的にも、普通の男性の声で歌う事は、どうも彼にとってとても違和感のある様子。

声の出し方を知らないから裏声になってしまってるというのとは違うみたい。

呼吸は普通のパートと同じく腹式呼吸が先ずはきちんとできるようになって、息と声をきちんと支えられるようになること。

下顎の力を抜いて、きちんと喉を開けて

Sul fiatto (息に載ったこえで)で歌える事。

それから、歌うに当たり、基礎体力をつけるよう、身体をきちんと整え、体力をつけることも必要です。

彼は若いですが体力がなさそうでした。

これから追々、いろいろ教えていかねばなりません。

本当のカウンターテナーなら、そう世界にもいないのですからきちんとした歌手になれるよう、ひょっとしてひょっとしたら世界へ出れるよう、まだまだ若いですから、ひょっとしてひょっとしたらの可能性も考えながら、きちんとした歌を身に付けてもらうように指導したいと思います。

カウンターテナーは特殊な能力なのだと思います。

でも、なんちゃってカウンターテナーであったとしても、ま、いいっかあ。

それはそれで楽しんだらいいのだと思います。

でもね、若いから、可能性が沢山あるのだから。

本当は素晴らしい才能を持っているのに、教える側に能力がなく、つまらない事にしてはもったいない。

将来、どうなってもいいように、きちんと見て差し上げたい。

私にとっても楽しみな生徒さんが新しく入られました。