オペラアリアをよく歌われている方はご存知と思いますが、ソプラノのオペラアリアにはカデンツという華やかな音階の連続したものが大抵付いていますよね。特に、ロッシーニ、ベッリーニは多いですね。
長い長いカデンツが連続します。細かな音、一つ一つ響きを保たねばなりません。もの凄く難しいですね。つい終わりの音がいくつか流れてしまって曖昧になってしまいますよね。でもプロの歌手がそんな風だとお客様をちょっとガッカリさせてしまいます。『こんなに練習してるのに』と落ち込んでしまう事がもしあったら、次の事を心がけてみてください。カデンツを音が狂わないようにとか、響きを持ってとか、あまり頭で考えて歌っていると、大抵音程が外れ、響きはなくなります。急がず、ゆったりと、丁寧に落ち着いて、どっしりお腹を下へ据えたら、楽しくお客様へ訴えかけましょう。お客様に聞かせましょう。カデンツは聞かせる所ですよ。正しく歌う!ではなく、聞かせましょう。遠くのお客様目掛けて、声をお客様に向けてみましょう。失敗する時、大抵、自分の殻の中だけで小さくなって下向いて歌っていますよ。遠くへ声を向けましょう。訴えかけるように歌いましょう。
そうしたら音程は狂わないし、響きも最後まで保てますよ。カデンツで必死こかないように!目の前のお客様を忘れないように。
カデンツは、お客様との対話です。